ユリノキのこと
更新日 2025/05/14
ゴールデンウィークのころ高い木の枝先に花をつけるユリノキ。
https://www.aichi-koen.com/kenmori_yurinoki/
ユリノキの原種は北米東部に自生するユリノキと中国東南部に自生するシナユリノキの2種類しかありません。
はるかかなた昔には地球上のもっと広い範囲に分布していたものが大陸移動や氷河期などの環境変化によって現在はその2カ所(2種類)のみになったと考えられています。
あいち健康の森公園には「ユリノキ」として約70本が植えられています。
中でも健康ロードの両脇にずらりと列植されているものが皆さんにはおなじみでしょうか。
そのユリノキ並木の中に2種類の花があるなあ。と気づいたのが去年のこと。
花の季節を待って今年じっくり観察してみました。
まず先に咲き始めたのがシナユリノキと思われる花。
形は半球状に近いおわん型。かなり緑色の濃いものもあります。
1週間ほど遅れて咲き始めたのがユリノキの花。
少し円柱状に縦長で色は薄い黄緑色にオレンジ色の斑紋があります。
葉の形は(同じ木のなかでもバラつきがあるのですが)ユリノキ(右)のほうが葉の付け根に近い下半分に鋸歯(とがったところ)が複数個みられるものが多いようです。
大木の幹肌はシナユリノキっぽい花をつけるものは白っぽく割れ目が浅いのに対しユリノキの樹皮は暗褐色で縦に伸びる深い割れ目が細かくあります。
どうやら雑種もあるようで中間的な特徴のものも多く。公園にあるものがはっきり「シナユリノキ」と断言はできないので表記はこのまま「ユリノキ」としておきます。
今では世界中で公園や街路樹として見られますが。遠い昔に離ればなれに進化した2種類のユリノキ。その長い歴史を感じられるでしょうか。
高いところで上を向いて咲いていますので。どうぞ時には立ち止まって。探してみてください。